ヘザー・ニューウェル博士 Dr Heather Newell

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40代になってからADHDの診断を初めて得た。それ以前からも心理士から検査を受けてはどうかと提案されていたのだが、ストレスに対処するのが難しくなってから医者に行った。ADHDの特性は研究に集中するのに役立つ面があり、そういった点は、生産性に関心を持つ社会において注目されることもある。しかし、他人からは見えていない、日々の生活において苦労を生むという現実もあるし、すべての労働者に同じように働くことを求める社会構造においては障害となる。

ヘザー・ニューウェル博士 ケベック大学モントリオール校 教授
専門領域:理論音韻論
学位:2008年に博士号取得(マギル大学)
インタビュー時年齢:47歳(2023年2月)
特性(障害)の内容:ADHD(注意欠如・多動症)、2020年に44歳のときに診断。
困ってきたこと
診断を受ける前は、午前中から仕事を始めることが難しかった。
また、感情の制御が難しく、振れ幅が大きいため、何かが完璧にこなせないというだけで極端に罪悪感を持ってしまう。
対応・工夫
ADHDの診断後、心理療法および薬物療法を受けており、効果が出ている。
研究職は、スケジュールの組み方に柔軟性がある点で望ましい。仕事をする日・時間を誰からも管理されないからである。ただし、授業や会議のように、それが当てはまらない業務もあるので、困ることがないというわけではない。
やりがい
ADHDの特性は、興味のあることに集中することには役立つ。必ずしも言語学を専門分野にする必要はなかったのだが、言語データの細部にパターンを見出す作業には魅力を感じる。