リチャード・マンキン博士 Dr Richard Mankin
生まれつき障害があったが、子供のころから科学にはずっと強い関心があった。はじめは物理学を学んだが、食糧問題にも関心があり、大学院で物理学を農業に応用する研究を始めた。環境中や保管作物の中に隠れている虫を、振動の検知によって見つける手法などを研究してきた。また、障害によらず科学が研究できるように促進する団体にも参加しており、学会参加のバリアを減らす、当事者同士のネットワークを作る、奨学金を支給するといったことにも取り組んできた。
リチャード・マンキン博士 米国農務省農業研究局 昆虫学研究者
専門領域:昆虫の音響・嗅覚コミュニケーション
学位:1979年に博士号取得(University of Florida)
インタビュー時年齢:73歳(2021年9月)
障害の内容:生れつきの四肢の筋肉欠損による運動機能障害。杖と支持具による歩行が可能。
その他の情報:「科学と障害財団(The Foundation for Science and Disability)」代表理事
学位:1979年に博士号取得(University of Florida)
インタビュー時年齢:73歳(2021年9月)
障害の内容:生れつきの四肢の筋肉欠損による運動機能障害。杖と支持具による歩行が可能。
その他の情報:「科学と障害財団(The Foundation for Science and Disability)」代表理事
- 困ってきたこと
- 生まれつき四肢の筋肉に欠損があるため、移動に困難がある。しかし、研究内容によっては、昆虫の生息地に自分で赴いてデータ収集などを行うことが望ましい。
- 対応・工夫(周囲の対応含む)
- 共同研究としてフィールドワークを行う研究者を見つけ、いっしょに工夫を考えながら調査を行ってきた。機材の運搬などをしてもらう代わりに、自分の知識を共同研究者に提供するので、互いに利益がある。
- やりがい
- 科学を志すことについて周囲は応援してくれなかったが、自分の強い好奇心に従って勉強し、奨学金も得た。仲間と熱心に議論するうちに、障害者としてではなく、一人の人間と捉えられるようになる経験をした。自分が科学者になりたいとわかっているならば、その意志を持ち続けるべきだし、それは周囲の人にも伝わって、人を動かす結果になる。