ケルジー・バイアース博士 Dr Kelsey Byers
ADHDやエーラス・ダンロス症候群など、複合的な機能障害を持っている。診断を受けたのはいずれも成人してからだが、前々からおかしいと感じていたことに説明が与えられたので、助けとなった。母親が慢性疾患を抱えながら研究の仕事を続けていた様子を小さいころに見ていたので、障害があっても科学者のキャリアは続けられると考えた。出退勤時間に柔軟性のない仕事だと、むしろより大変だろう。障害のある科学者として、後に続く人たちのために道を切り拓きたいと考えており、社会に向けて自分のことを発信したり、当事者たちが交流するための機会を設けたりしている。
ケルジー・バイアース博士 ジョン・イネス・センター グループリーダー
専門領域:進化生物学、化学生態学
学位:2014年に博士号取得(ワシントン大学)
インタビュー時年齢:36歳 (2021年12月)
障害の内容:上下肢の障害(エーラス・ダンロス症候群)、内部障害(体位性頻脈症候群(POTS)と自律神経障害)、注意欠如多動症(ADHD)、摂食障害、睡眠障害。
その他の情報:モビリティ・スクーター、杖、ロフストランドクラッチ、関節補装具、車いすを使用。
学位:2014年に博士号取得(ワシントン大学)
インタビュー時年齢:36歳 (2021年12月)
障害の内容:上下肢の障害(エーラス・ダンロス症候群)、内部障害(体位性頻脈症候群(POTS)と自律神経障害)、注意欠如多動症(ADHD)、摂食障害、睡眠障害。
その他の情報:モビリティ・スクーター、杖、ロフストランドクラッチ、関節補装具、車いすを使用。
- 困ってきたこと
-
ADHDのため、助成金の申請や論文執筆など長期にわたる作業を計画するのが難しい。学生時代にはこのような問題は少ないが、研究者としてのキャリアが進んでいくとより困るようになる。
エーラス・ダンロス症候群とPOTSは強い疲労を生じさせるため、日々の予定を立てておいても、先延ばしにせざるを得なくなることがある。
研究や教育の場面で、自分の希望する仕事に関して、障害があるから無理だとか危険だとかいった判断を周囲から押し付けられることがあった。 - 対応・工夫
-
学生時代には、研究室に長椅子(カウチ)があり、そこでは休むことができたが、自分の障害のためではなく、誰でも利用可能な設備としてそこにあった。研究の様態は、指導教官から柔軟にしてよいと認められた。
現在は、建物のバリアフリー化をしてもらい、重い扉が自動で開くようになっている。また、会議などでは、車いすでアクセスできる場所を準備するように周囲が協力してくれる。