モナ・ミンカラ博士 Mona Minkara

字幕テキスト

進行性の視覚障害で、7歳で診断を受けたころはまだかなり見えていたが、10歳ごろまでに急速に進行し、現在では左眼にごくわずかな視野と、いくらかの明るさの知覚があるのみである。ロールモデルがなかなかいない中で、様々な道具や人的支援を利用しながら、研究者の道へ進んだ。視覚障害のある学生として、また、教員としての経験をまとめて、論文やウェブサイトで共有している。

モナ・ミンカラ博士 ノースウエスタン大学 生物工学 助教
専門領域:計算化学
学位:2015年に博士号取得(フロリダ大学)
インタビュー時年齢:34歳 (2022年3月)
障害の内容:視覚障害(黄斑変性症および錐体桿体ジストロフィーによる)
その他の情報:ウェブサイト(https://monaminkara.com/)には、自身の論文の他、視覚障害のある科学者のための研究用機材の紹介や世界の都市の交通事情などの情報が満載。
困ってきたこと
計算化学の分野では、たんぱく質の挙動を動画で表現するなど、視覚的データが多く使われるので、それを視覚以外でアクセス可能な形に変換しなければならない。 学校の教師たちからは、(おそらく善意からであろうが、)視覚障害のある生徒には難しいことを求めないようにしようという態度を取られた。学習の障壁となる要因は、知的能力ではなく、学習内容にアクセスできないことだったにも関わらず。自分でも、視覚障害は弱さであるという捉え方を内面化していた。
対応・工夫(周囲の対応含む)
データにアクセスするために、様々な方法を試してきた。例えば、分子の構造を理解するために、グルーガン、粘土、モールなどを使って模型を作った。研究に使用してきた道具(および人的支援)は、自身のウェブサイトで紹介している。
応援してくれる人たちや自分(ミンカラ博士)の強みを見出してくれる教員がいたことは、自分の障害に対する否定的な見方を変える助けとなった。
やりがい
科学界に広く流通するデータが視覚的であるために、視覚障害者はそれにアクセスできず、研究への参加が阻まれている。しかし、すでに利用可能な技術を使ってアクセスを可能にしさえすれば、むしろ、データに対して非視覚的にアプローチをできることは研究者として強みになる。また、科学が障害に関わらずアクセス可能になることは、問題解決プロセスにより多くの人々が参加できることを意味するので、人類全体にとって望ましいと考える。